赤黒いバラ
あれからまた月日は流れる。

「私たちも…もう卒業…か…。」

しみじみと思う。

「そうだね。でも、なんかみんなにはまた会えそう。」

「でも、あたし浪人なんだよね…。私立全落ちした。国立なんて受かるはずない。」

明日は卒業式。

この三年間いろんなことがあったね。

思い返せばキリがないけど。このクラスも学校(カリキュラムには問題あるけど)も大好きだったな。

「桜…傷を抉らない。」

えなは私立の医学部になんとか合格した。

家が医者なだけあって私立でも医学部ならば行かせてくれるみたいだ…

一応国立のほうも受けたらしいけど。

「えなはすごいよね…医学部合格なんて…。あたしなんて…。」

なんか、卒業式前なのに違う意味で泣きそうになってる…

「桜。泣いても良いわよ。」

美結は国立しか受けなかったらしい。

「美結ぅぅぅ…鼻水拭いても良い?」

そう言うと殴られた。

「桜ちゃん。気を落とさない。はい。ティッシュ。」

彩月は私立の大学受けたみたい。

もちろん受かってる。

そんなあたしたち明日卒業します。
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