赤黒いバラ
卒業式当日。

私たちは朝早くから集まった。

理由なんてない。いつも通りのこと。

教室にみんなで集まる最後の日。

そこには担任の仲上先生もいる。

「なんで、こんなに早くに集まってるの?」

仲上先生はある先生にもうⅢ組集まってるので行ってあげてくださいと。言われたそうだ。

「だって、最後の日なんだよ?いつも通りに過ごしたいから。」

えなが言う。

「早いけどあれ渡す?」

美結が私を見る。

「そうだね。桜ちゃんお願いします!!」

「早いけど、本当はあとで渡すつもりだったんですけど。仲上先生。二年間ありがとうございました。」

私たちは色紙と花束を渡した。

「ありがとう…。あとでの方が嬉しいかな…。それと、こちらも伝言。小鳥遊先生から。『みなさん。ご卒業おめでとうございます。今日はそちらに行けませんが遠くからお祝いしております。』だとさ。」

シンプルだけど嬉しかった。

小鳥遊先生私たちのこと忘れないでくれたんだね。
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