赤黒いバラ
お守りを買い、先生の車に戻った。

先生にお守りの話をしたら

「赤黒い薔薇の花言葉は永遠の愛とかそんな感じだったはず。この神社にぴったりだな。」

そう言って、私たちはえなたちを迎えに行くことにした。

大学に向かっているときに、先生に聞かれた。

「最近、家の方はどうなんだ?」

その話覚えてたんだ。

「どうって、特に最近は無いですかね。毎回毎回あんな感じではないですからね。」

と、笑って返した。

「そっか。また、なんかあったら言えよ。友達同士じゃ、言えないだろうしな。桜は。」

そう言って、先生は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

嘘。さすがにこれはだめ。

撫でられているとき、先生とのことを色々と思い出してしまった。

「今日はそれをちょっと聞きたかったのもあるんだよね。」

と、運転しながら笑っていた。
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