赤黒いバラ
パフェを食べ終え、帰りの車のなか。

「そう言えば、桜先生からプレゼントもらった?」

笑いながらえなが聞いてきた。

「もらえるわけないじゃん。お昼だって自分なんだからね。」

「立場が違うだろ。むしろ、欲しいと言われても困る。逆に何か期待してたのか。」

と、先生が冷たくつっこんだ。

「ここは桜16歳になったから、大人っぽく先生の愛って答えとこうかな。」

と言ったら先生以外笑った。

先生はジト目で睨んできた。

「しょうがない。来年に期待してるわ。ね?先生。」

と言ったら先生は耳が赤くなった。

思い出したのだろう。昼のことを。

そんな先生を見ていると私まで恥ずかしくなった。

この感覚…やっぱり…

先生に撫でられたときから私は感じていた。

私は先生に恋をした。

先生が好きなんだ。

そう思い始めるとなおさら恥ずかしくなった。
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