赤黒いバラ
そんな下らないやり取りをしていたら聞き覚えのある声が聞こえた。

「桜に翔平…?」

声の持ち主は高橋斗真

「よ!斗真元気にしてたか?」

呑気な翔平は斗真に近づいていった。

斗真とは別れて以来会っていない。

「久し振り。斗真。」

私は何事もなかったかのように振る舞った。

大丈夫。今の私なら普通にできる気がする。

「桜…。」

斗真はじっとあたしを見ている。

なにか変だろうか。髪の毛も浴衣も大丈夫だから特にはなさそうな…

「あとで話がある。校門で待ってる。良いかな。」

それを伝えると斗真はどこかへ消えてしまった。

「桜…お前…!よりを戻されるんじゃないか!?良かったな!!」

どうやら私がフラれたと思っているようだが違う。

そんな話をしていたら志保里に怖い笑顔で呼び出された。
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