ねえ好きって言って 【完】
それだけしか言えなかった。




「え、でも…」

「いいから。早く帰れ」




少し乱暴に言い放った。




とりあえずこの場に
いてほしくなかった。




「恵恋、行こ」




凪に連れられ
恵恋は俺の横を通り過ぎたのだった。




「零ちゃん、今のって彼女?」

「…美琴には関係ないだろ」

「うわっ冷たっ!昔はもう少し優しかったのに」




なんでこいつ
このタイミングで現れるんだよ。
ありえねー…




「とりあえず、ここ目立つから場所変えて話そう」




そう言って俺と美琴は
喫茶店に入った。




「で、俺に何の用だ?」
< 133 / 222 >

この作品をシェア

pagetop