ねえ好きって言って 【完】
「これから昼は一緒に飯食うから」

「えっ私綾乃ちゃんと…」

「俺の彼女…だよね?」




私が何も言えなくなるのを分かって
ニヤリと笑っていた。




うぅ…何も言い返せない…




彼女のフリなんてやめればいいのに
変なところで真面目な私の頭に
そのような選択肢が思い浮かばなかった。




「ほら」




相良くんはそう言って
パンを渡してくれた。




「あ、ありがとう。相良くん」




相良くんなりの
優しさなのかな。




私はパンを齧った。

……甘い。
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