ねえ好きって言って 【完】
「―――ッ!!!」



恵恋は笑いながら涙を
零していた。




ちょ、なんで泣いてんだよ!
何か俺変なこと言ったっけ?!




恵恋の涙に焦った。




「零太くんにこんなに綺麗な花火みせてもらって、その上わざわざ人でいっぱいの出店回るのに付き合ってくれて本当にありがとう。今日すっごく楽しかった!」




なんだよそれ。




恵恋は少し顔を赤く染めているように見えた。




嬉し泣きをしていたのだ。




「――――泣き虫」




そう言って俺は
恵恋の身体を抱きしめていた。
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