君と見つけた道
新しいクラス
初日からの遅刻はなんとか防げた。
えーっと…教室は…ここか。
ガラガラガラ。
え!なんかすごいみんなからの視線を感じる…。
みんな来るの早い…ね。
私の席はわかりやすかった。
みんな座ってるからね。
あれ?でも私の席の他にもう1つ空いてる。
誰だろう…。
クスッ。まさか初日から遅刻?!それはダサいね。顔を見てみたいよ。ふふっ。
そう思いながら自分の席に座る。
「なに笑ってんだよ。きもちわりい。みんなに見られてんぞ。」
あ。学校1のイケメンって言われてる黒田蓮(くろだ れん)。
隣の席なんだ、あたし、コイツと。
クラスは同じになったことないけど、話したことはある。
「あ、おはよう。黒田。同じクラスだね。よろしく。って、そんなにあたし笑われてた?!きもちわるかった?!」
「おう。結構きもかった。ほら、まだみんなお前見てるぞ。なんかウケる。」
そういって黒田は顔をクシャッとして笑ってくる。
こうみると…やっぱりかっこいいんだな。黒田って。
「恥ずかしっ。フォローしてくれればよかったのに〜。」
私も笑い返す。
しばらくして先生が入ってくる。
ん?ドアの方に人影が…。
「みんなおはよう。今日からこのクラスを担任する、大竹だ。よろしくな!」
大竹かー。うちの担任は。
おもしろそっ。
「さあ、このクラスに新しいやつが入ってくることになった。入っていいぞ、上村。」
え!転校生?男?女?
気になる…。
転校生はスタスタと入ってきた。
「上村拓也です。よろしく。」
めっちゃイケメンじゃん。
私は思わず、
「うわぉ…」と声が出た。
気のせいかな。隣から視線が感じる。
…黒田?
クリッとした目であたしを見つめてくる。
「なに?黒田。あたし、なんか変な顔してる?」
思わず聞いてしまった。
「あっ、いや…。空見てた。」
焦るように答えた。
確かにここは窓側だけど、空って…。視線が下だったよー。
なんだったんだろ。
気になる…。
ホームルームが終わり、休み時間になる。
知らない子ばっかだけど、なんかあたしの机の周りには人がいっぱいいる。あたしに話しかけてくる。
戸惑いながら、後ろの方を見ると、愛が手を振ってくる。
あたしのところに来てくれた子達に軽くごめんねと言いながら、あたしは愛のところまで行った。
「朱里!同じクラスだね!よろしく!にしても、相変わらず集まってくるね〜、みんな、朱里のとこに。」
彼女は菊池愛(きくち あい)。
小さい頃から仲良しで、あたしが信頼する友達の1人。
「愛〜。よろしくね!なんでかわかんないけどさ、集まってくれるんだよね。嬉しくない訳じゃないけど、結構大変。」
あたしがそういうと、愛はため息をついた。
「朱里は本当、鈍いね。あんたはめっちゃ…」
愛の話が途切れたと思ったら、
「やっほー!朱里と愛!俺、2人と同じクラス嬉しんだけどー。テンションあげていこうぜい!よろすく!」
あー…、テンション高いよ。
コイツは水谷翔太。
超元気で活発な男子。
あたしはタイプじゃないけど、何かとモテてる。
「翔太!うるさい!今、私と朱里が喋ってたのに!」
愛は翔太にキレる。
「翔太。あんまりうるさくしないでよ?」
あたしも一応言っておいた。
じゃないと本当にうるさくするから。
「はぁ〜い!ていうかていうか、あの転校生気にならなーい?!俺には負けるけど、あの子もソコソコなイケメンだよ〜ん!」
「気になる…。めっちゃ気になる。」
あたしはそう答えた。
「わかる。あの顔立ち、黒田と競うね、学校1のイケメンはどっちだ!ってね。」
愛もそう思うよね。
愛は男の人に対しては評価が厳しい。
その愛に合格をもらえた…上村くん?は、誰もが認めるかっこよさ…。翔太なんか余裕で越してる…。
どんな子なんだろう。