【短編】きっと明日は
「杏果は好きな星とかないの?」
「分かんないな。中学の時に習った位だし。ああでも…木星の衛星は好きだよ」
イオ、カリスト、ガニメデ、エウロパ。
何だか木星の子供みたいで可愛い、と思った記憶がある。
「何か杏果らしいな」
「そうかな?杏祐は?」
「俺はタイタンが好きだよ」
聞いたこともない。
「すごく大きな星なんだ。名前も巨人、ってつけられる程だしね。ただ公転の速度が遅くて、マイルドヤンキーの行動範囲くらいしか動かない」
「マイルドヤンキー?」
思わず笑ってしまった。
「はは、ちょっとした例えだよ」
「何でタイタンが好きなの?」
「包容力があるというか。俺もああなりたかった」
過去形なのがずっと不思議だったが───気づいてしまった。
「分かんないな。中学の時に習った位だし。ああでも…木星の衛星は好きだよ」
イオ、カリスト、ガニメデ、エウロパ。
何だか木星の子供みたいで可愛い、と思った記憶がある。
「何か杏果らしいな」
「そうかな?杏祐は?」
「俺はタイタンが好きだよ」
聞いたこともない。
「すごく大きな星なんだ。名前も巨人、ってつけられる程だしね。ただ公転の速度が遅くて、マイルドヤンキーの行動範囲くらいしか動かない」
「マイルドヤンキー?」
思わず笑ってしまった。
「はは、ちょっとした例えだよ」
「何でタイタンが好きなの?」
「包容力があるというか。俺もああなりたかった」
過去形なのがずっと不思議だったが───気づいてしまった。