監禁ダイアリー
部屋の隅にいることなんて、誘拐される前からいた場所だ。
どこにいても精神が落ち着くわけではないが、閉鎖されてる感じを味わうと安心できる気がする。
やがて達さんは来た。
食器を下げに来たのだろう。
あたしはそんな彼に目を向けようとしない。
するとお盆に載せられている食器たちは、彼によってあたしの元に運ばれる。
あたしはその事に気づいてない。
カチャンと音がし、あたしはようやく顔を上げた。
近距離であたしを見下ろしている達さんの姿があった。
「食えよ」
その一言は、低くて不機嫌なものだった。
あたしは言葉を震わせながら言った。
「お腹...空いてないんです」
イラッと来たのか、達さんはあたしの身体中を触ってくる。
反射的にそれを抵抗してしまう。