監禁ダイアリー

尖らせていた神経を休ませる。


体全体に入れられていた力を抜く。



そしてあたしは達さんがくれた、ノートとペンを見つめた。


そろそろ日記を書こうと思い、ゆっくりとノートを掴んだ。



新品のノートを開き、折り目をつける。


そしてあたしは右手に持っているペンを走らせるのであった。




   ❮5月 13日  土曜日❯
平凡だったあたしの人生は、今日で変わった。

ただ親とぎすぎすして、何もならないうちに自分が独立して家を出て行くのかと思っていた。


だが今日からそうでなくなった。


このノートをくれた人によって、あたしの人生は短くなるのだ。


そう、あたしは家にいたくなくて外をぶらぶらしようとした。


そしたらいつの間にか意識がなくなり、気がつくと知らない部屋に誘拐されて、拘束されていた。


達さんという見た目若い男の人に、監禁されてるみたいだ。


でも優しいことに彼はあたしの身動きを自由にしてくれてる。


今までだって、そんなにいい思いをしてきたわけでもないから、決してこの状況が無理なことはない。



やっと、母はあたしが帰らないことを心配してるのかな。


< 14 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop