透明人間
「こんにちは。…ええと…、」



兄ちゃんはスーツの内ポケットから手帳を出して、パラパラめくってからニッコリ笑って言った。







「中峰章大さん。」




……誰??



やっぱり俺に話かけてんじゃないのか?

でも、だったら誰に?



俺の怪訝そうな顔を見た兄ちゃんはしまったという顔をしてからまた手帳を繰り出した。



「えぇっと………か、神崎圭さん!!」
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