―ある日―
ドアを閉めて、小さく嘆息。

獲物を机に置いて、ベッドに腰を下ろす。

刺身包丁は長いから、きっと抜けるんだろうな。

後ろ。

これでいい。

悪いな、親父。

どうしてもこれがいいんだ。

親父の包丁で、あの男を。

そして、

母さんを……。

「…………」

悪い、親父。

約束、守れそうに無い。

ごめんな。

「…………たくっ」



オレはどうかしている。
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