―ある日―
しくったぁ…。

立ち読みしてたら面白い作品みつけて、ついついコミックに手を伸ばして読み始めたら、止まんなくって……。

「あ~もうこんな時間」

急いで家に向かう。
早くしないとお母さんに怒られる。

今日のお風呂当番は私なのすっかり忘れてた!
ええい、近道しよう。

私の家のあるマンションの、裏手の非常階段にほぼ直通のすごい裏技ルート!
子供の頃はよく使ったけど、ここのとこはめっきりだったから、懐かしいなぁ。

「よっと……」
柵をくぐる。

そう、この抜け道は民家と民家の間、室外機とか置いてある人一人分位のセッマ~イ猫道なんだ。
下手すると不法侵入でやばいんだけど、それはそれ。非常事態だし。

「せっ…」
よし抜けた。
急がないと!
くるっと回って非常階段を駆け上がった。




この時、私がマンションの正面入口から入っていたら、たぶん、いやきっと、違う結果が待ってたんだろう。
良い意味でも悪い意味でも。

今となっては知るよしも無いのだけれど……。
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