―ある日―
キイィィ

家のドアは外からの方が音が小さい。

いやがらせに近い。

ゆっくり閉めて部屋に戻る。

「ハァ……」

戻って来た。

まぁ他に行くあてなんて無いんだ。当然か。

ベッドに倒れ込む。

また、今日が始まった。

少しの間、目を閉じる。

いっそこのままなんて事、考えるヤツもいるんだろうな。

オレにそれは無い。

ただ、たまに、どうしようもなく、虚しいだけ。

ムダなんだ。

どうせ、他に道は無い。

いや、あったとして、オレに無い。


また、今日が始まる。
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