―ある日―
すぅ

目を開ける。

そろそろ頃合か。

体を起こす。

制服に着替えて、鞄に必要な物をいれる。

ハンカチとティッシュとケータイをポケットに入れる。

おっと、定期を忘れるとこだった。

「…………」

いっそ忘れた方が良かったか。

いや、どうせ、行かなきゃならないんだ。

どう足掻いたって。

買うのはメンドイからな。

無造作に鞄のポケットに突っ込んだ。

「ハァ……締まって行こうってか」

つぶやく。

馬鹿だな。

少し自嘲して、部屋を出た。
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