―ある日―
「ふぅ…」

心臓がうぜぇ。

恐がるな!!

あいつを喜ばせるだけだ。

くそっ!!!

ピンポーン

インターホンを押す。

間の抜けた音だ。

………

「遅かったな」

「はい。…すみません、父さん」

「まぁいい。上がれ」

「…はい」

…………

「何か飲むか」

「…大丈夫です」

「そうか」

……

「ベッドの方へ」

「……はい」

………

「脱ぐんだ」

「…はい」

…………

「靴下もだ」

「はい」

……

「声が震えてるぞ」

「!……す、みません」

「いいかげん慣れろ」

「…はい」

クスクスッ

「感じてるのか?」

「!!……そん、」

「かわいいなぁ、お前は」

クスクスッ

「………ッ」

「どうした?」

「…いえ」

「もっと良く見せろ」

「……」

「こちらへ」

「…はい」

………

「脱がせろ」

「はい」

「今日はなぜ遅れた?」

「……すみません」

「女でも出来たのか?」

「いえ…」

「いい身分だな?えぇ?」

「……違いますっ」

「口答えするのか」

「いいえ…」

「フン。…どうすればいいか、教えたな」

「……はい」

……………

……………
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