―ある日―
済ませて出てくると、竜彦が軽く手を振った。

「飯行こうぜ、ケイ。久々なんだし」

「メンドイ」

「オゴるよ?」

…………。

「わかったよ」

「よしっ」

うれしそうだな。

馴々しく肩を抱く。

相変わらずうっとうしい人だ。

たくっ。

……………………

で、向かった先は近くのファミレス。

昔からよく利用してた竜彦馴染みの店だ。

「喫煙と禁煙、どちらになさいますか」

「禁煙で」

「かしこまりました」

………。

「辞めたのかよ」

「ん?タバコ?ああ辞めたよ」

「嘘くせぇ」

「うん。嘘」

「はぁ?」

「お前の前では、辞めたの」

!?

「意味わかんねぇ…」

「ヒヒヒッ」

…相変わらず品の無い笑い方だな。

……

「遠慮すんなよ、伸び盛り」

メニューを見ながら言う。

嫌味か。

「するかよ。竜彦のオゴりなんだし、一番高けぇの頼んでやる」

「可愛くねぇ~」

「可愛かった覚えは無ぇよ」

少し位同年代より体格が小せぇからって、なんだよ。

別にいいだろ。

個人差だ。
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