―ある日―
たくっ。

寝覚め最悪だな。

「…今、何時だ」

枕元のケータイを探す。

2時だ。

また、夜中の2時。

「はぁ…」

体を起こして、ノビをする。

ドアを開ける。

…………

静かだ。

みんな寝てるな。

確認してドアを閉める。

カサッ

学校用の鞄から例のボトルを取り出す。

小さく畳める布鞄に入れ変えた。

服を着替えて、ケータイをポケットに入れる。

よしっ

ドアを開けて、下に降りる。

「!」

リビングから、明りが見える。

まさか…いや、まて。

ゆっくり近付いて、ドアのガラス越しに覗く。

テレビだ。

テレビが付けっ放しになってる。

ひょっとして……。

耳をそばだてる。

………………

イビキだ。

あの男の。

ソファで寝てるのか。

脅かしやがって!

「……~~っ」

深呼吸して、細心の注意を払って家を出た。
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