―ある日―
「おかえり~。先やってるよ」
「うん。ただいま」

テキトーに買って戻って来ると、すでにゆりあは始めていた。
私も座って食べ始める。

「ねぇ、ゆりあ」
「はに?」
ゆりあの大好物エビフライのしっぽを口からのぞかせながら、私を見る。
「……好きだね、エビフライ」
「ほん」
すっごい笑顔。かわいいなぁ。
「じゃなくて」
「ん?」
「なんかコンビニ行く前、先生達がはしゃいでたんだけど…行方不明がどうのって」
「ん?あっ!もしかして知らない」
「えっ?何が」

もくもくと急いで口の中を空にしてから、
「うちの先輩で行方不明の人がいるってウワサ」

何、それ?
「先輩って三年じゃん。家出じゃなくて?」

「どうも違うらしくて、ウワサじゃ一家心中とか夜逃げとかイロイロ」

「えっ!?何?一人じゃなくて家族まとめて?」

「らしいよ。でもちょい前、塚先輩に聞いたんだけど死体見たって」

「塚先輩の友達なの?」

「あ~みたい」

「誰?なんて人?」

「山本圭」
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