―ある日―
そして、オレには、何も、無くなってしまった。

支えだった………

母さんさえ…………………

それからのオレは、人形みたいだったハズだ。

よく、覚えていない。

オレが計画を立てるようになったのは、ある事件がキッカケだ。

それは、同じクラスの奴が起こした、傷害事件。

オレは見たこと無かったが、イジメにあってるとかウワサのある奴だった。

上級生を彫刻刀で滅多刺しにしたんだ。

すごい、光景だった。

馬乗りになって、何度も、何度も。

廊下に広がる血は今でも鮮明に覚えてる。

その上級生はイジメてた張本人らしい。

すぐに先生達に取り押さえられてたけど、大人4人掛かりでやっとだった。

刺された上級生は重傷で、でも生きてたらしい。

あの光景を思えば、奇蹟だ。
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