―ある日―
「小夜、オレ少し竜彦と話あるから、先、中入ってな」

「……わかりました」

…何の話だろう?
まぁ、いいや。圭さんがそう言うんなら。

「さぁさっ、散らかってるけど、どうぞどうぞ♪」
「あ、はい」

梅田さんにうながされて座席の奥、仮眠室?みたいなとこに入り込んだ。


……………

「お前の荷物とかは積んであるから、安心しな」

オレの…って!!

「竜彦、お前、秘密基地…」

すげ、ニッコリ笑う…。

どんだけだよ。

……ふざけろ。

たくっ。

「竜彦、これ…少ねぇけど」

封筒を差し出す。

「オイオイ、何言ってんだよケイ。むしろ、俺が渡す側だろうが」

何言ってるはこっちだ。

「この変はきっちりしねぇと。……こんな、全部、頼るハメになっちまって………そんなつもりは無かったんだし」

さすがに気は引けるからな……竜彦でも。

「止めろよ、らしくもねぇ」

「いや、だけど…」
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