―ある日―
どれ程の時間が経っただろう。

あれから、もう二人共眠ってるだろうな。

オレはと言うと、あのままベッドに座っている。

少しも動かずに。

電気も点けずに。

寝てる設定だからな。

「………」

とっくに目は闇になれた。

ゆっくりだけど、確実に落ち着いてきている。

…さっきはヤバかったな。

冷静にならないと…。

あまりに長かったから。

「………」

カーテンの隙間から空が見える。

あーゆーのを朧月って言うのか。

半分より少しデカい、下弦。

「………」

空は見る方だが、あのオレンジは珍しい。

今日は妙な日だ。

燃えていたり、朧月だったり。

……暗示だったのか?

…………まぁいい。

とにかく、



今日だ。
< 99 / 106 >

この作品をシェア

pagetop