私の親友


 結局成り行きで、その日ロアは、こっそり私の部屋に泊まることになった。

 本当は施設の子しか泊まっちゃダメなんだけどね。


 朝ご飯と晩ご飯はコンビニで買っておいた物を私の部屋で食べた。


 不思議な事に、同じ布団で寝てたのに、全くぶつからなかった。
 元々ロアの寝相がいいのか、私がその晩奇跡的に寝相が良かったのか。


 なんだか幼い頃にやった隠れん坊みたいな、ハラハラドキドキした感じを思い出す夜だった。


 「行ぃってぇ来まぁ~すぅ……」

 「レウ姉、もう行くの?」


 げ!

 ロアを隠しながらそ~っと玄関を出ようとした時、同じ施設で暮らすちびっ子達に見つかった。

 瞬間、私はドアの隙間からロアを突き飛ばす勢いで出す!


 「う、うん……今日、日直でね……」

 「ふーん」

 「じゃ、行ってくるから!!」


 もう障害物に引っ掛からないように、さっさとロアと合流しよう。

 ドアを開けて、ロアを探す。


 「ロアー?さっきはごめん!一緒に学校行こ!」


 ……ありゃ?


 ロアが居ない。


 キョロキョロと辺りを見回していると、


 「レウちゃんレウちゃん!」


 門の外でロアが手招きしていた。

 なんだ、もう施設の外に出てたのか。


 「いやー、その場でじっとしてると職員の人とかに見つかっちゃいそうでね、先に外に出てたの」

 「そっかそっか」

 「でも楽しかった~!なんかちっちゃい頃にやった隠れん坊思い出したよ」

 「あ!それ私も思った」


 私達は談笑しながら学校へ向かった。


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