私の親友
雨の味は涙の味
施設に帰って部屋に入った瞬間、窓の外から小雨が降ってきた。
もう梅雨だからな……
六月は梅雨前線が絶賛通過中でジメジメするのがちょっと嫌だけど、自分の誕生日があるからそこまで嫌いだとは思わない。
私は制服のままベットの上に仰向けにダイブした。
―――いや、やっぱり嫌いだ。
だって、私の両親が殺されたのは、六月三十日。
私が十二歳になった誕生日なんだから。