私の親友



 ……命中。上手く頬に当たった。



 ゴッと鈍い音がして、千鳥足になりながら逃げる通り魔。




 絶対これで傷が残るはず。その傷を探せば、きっと見つかる。




 フラフラしながら逃げる通り魔の雨合羽の下に、瑠璃坂高校のマークが付いた鞄が見えた。




 あの高校に入学すれば……見つかるかもしれない。










 私の敵討ちを応援するかのように、雨が降ってきた。







 私は濡れた髪を掻き上げて、嘲笑った。






 ―――見つけたら、同じ目に合わせてやるんだから。








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