私の親友


 休み時間、スマホを弄ってる私にロアが話しかけてきた。


 「レウちゃん、何見てるの?」

 「最近この辺で起こってる事件調べてんの」


 近頃、このあたりで学校関係者を標的とした殺人事件が起こってる。

 夜に一人で歩いてる所を男女関係無く、生徒でも教師でも構わず狙い、刃物でズタズタにするという残酷なやり方らしい。

 まだこの学校の生徒や教師はまだ被害には遭ってないけど、次は自分が狙われるかもしれないから。ちょっと情報収集していた。


 「あー、その事件ね。怖いよね~」

 「ねー。ロアも狙われるかもよ?可愛いから。目ぇ付けられないように気をつけてよ?」

 「私は大丈夫だよー、レウちゃんこそ、一人で出歩かないようにね?」

 「おう、気をつけるー」

 「ま、私達二人いつも一緒だから、狙われないと思うけどね!」

 「それもそうだな」


 猫みたいにロアが擦り寄ってくる真似をした。

 なぜだか笑いが込み上げてきて、二人で笑いあった。


 それに、二人一緒に殺されるならそれが本望。
 
 私はロアが大好きだし、ロアも私が大好きだから、死ぬときも一緒にいられれば何でもいいや。


 二人ででかい声で笑ったから、クラスメイト達が何だ何だとこっちを向いてきた。

 うるさくしすぎたか。

 私達は笑みを抑えながら口の前に人差し指を持っていった。



こんなたわいない会話でも、ロアが相手だと楽しくてしかたない。

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