私の親友
夜の海
―――ん?
身体に違和感を覚え、私は目を覚ました。
頭が痛い、身体がだるい、手足が痺れる。
何これ……?
「お目覚めかい、レウ?」
リイチ先生の声だ!
「せ、先生!私……?!」
「しばらくの間眠ってただけだよ。そこまで身体に異常は出てないはず」
「……どれくらい寝てたんですか、私」
「四日間、いや、正確には今11時50分だからあと少しで五日間だね」
「は?!よっかかん!?いつかかん?!」
道理で体が異様にだるい訳だ。
「こ、ここどこですか!?」
「僕の愛車、スカイラインの中」
「どこに行くんですか!?」
「質問が多いねぇ。運転に集中出来ないよ」
事故られても困るので、私は自重して熟考を始めた。
何か薬でも盛られたのかな。
保険医だから可能性はある。職権乱用っぽくなるけど。
この痺れは拘束とかのじゃない、身体の中からビリビリくる感じだ。
でも、なんでリイチ先生……
っあー、頭がまだボーッとしてる。
思考がまとまらない!
「言ったろ。海だよ海。レウと最高の思い出を作ろうと思ってね」
リイチ先生がパワーウィンドウを開けると、波の音が聞こえてきた。
真っ暗だけど、潮風で海が近くにあるのがわかる。