私の親友
夜の海







―――ん?


身体に違和感を覚え、私は目を覚ました。

頭が痛い、身体がだるい、手足が痺れる。

何これ……?


「お目覚めかい、レウ?」


リイチ先生の声だ!


「せ、先生!私……?!」

「しばらくの間眠ってただけだよ。そこまで身体に異常は出てないはず」

「……どれくらい寝てたんですか、私」

「四日間、いや、正確には今11時50分だからあと少しで五日間だね」

「は?!よっかかん!?いつかかん?!」


道理で体が異様にだるい訳だ。


「こ、ここどこですか!?」

「僕の愛車、スカイラインの中」

「どこに行くんですか!?」

「質問が多いねぇ。運転に集中出来ないよ」


事故られても困るので、私は自重して熟考を始めた。

何か薬でも盛られたのかな。

保険医だから可能性はある。職権乱用っぽくなるけど。

この痺れは拘束とかのじゃない、身体の中からビリビリくる感じだ。

でも、なんでリイチ先生……

っあー、頭がまだボーッとしてる。

思考がまとまらない!


「言ったろ。海だよ海。レウと最高の思い出を作ろうと思ってね」


リイチ先生がパワーウィンドウを開けると、波の音が聞こえてきた。

真っ暗だけど、潮風で海が近くにあるのがわかる。



< 30 / 42 >

この作品をシェア

pagetop