私の親友
近くの空き地に車を止め、リイチ先生は崖の方へ歩いた。
私もそれに付いていく。
「レウ!見てみなよ、よく刑事ドラマで犯人追い詰める場所だよ!」
子供みたいにはしゃぐリイチ先生。
車の中からじゃ分かんなかったけど、今日は裾の長いトレンチコートを着てる。
いつも白衣だから、なんか新鮮。
……ちょっと格好良い、かも。
バタバタとコートの裾がはためく。
近くにある街灯が照らしてるからそんなに危なくないんだけど、足を滑らせたら確実にヤバい。
「危ないから、落ちないでくださいよ」
「大丈夫大丈夫〜」
それにしても、海風が少し肌寒い。
制服のままじゃ、当たり前か。
「レーウ、こっち来て」
先生が手招きしてる。
言われた通りに、先生の所へ歩いた。
「何ですか、何かあるんです、か?!」
ダン!
天地がぐるりと回る。
背中に激痛が走った。
痛い!