私の親友







近くの空き地に車を止め、リイチ先生は崖の方へ歩いた。

私もそれに付いていく。


「レウ!見てみなよ、よく刑事ドラマで犯人追い詰める場所だよ!」


子供みたいにはしゃぐリイチ先生。

車の中からじゃ分かんなかったけど、今日は裾の長いトレンチコートを着てる。

いつも白衣だから、なんか新鮮。

……ちょっと格好良い、かも。

バタバタとコートの裾がはためく。

近くにある街灯が照らしてるからそんなに危なくないんだけど、足を滑らせたら確実にヤバい。


「危ないから、落ちないでくださいよ」

「大丈夫大丈夫〜」


それにしても、海風が少し肌寒い。

制服のままじゃ、当たり前か。


「レーウ、こっち来て」


先生が手招きしてる。

言われた通りに、先生の所へ歩いた。


「何ですか、何かあるんです、か?!」


ダン!


天地がぐるりと回る。

背中に激痛が走った。

痛い!

< 31 / 42 >

この作品をシェア

pagetop