私の親友
「娘だったら、きっとあの人に似てるだろうと思って、ゆっくりじっくり時間かけて近づいたってのに、どうしてレウは見た目も中身も父親似なのさ」
そんなの知るかっての!
どこまで自分勝手でめんどくさいんだ、この男……え?
こころなしか、首が痛い。
呼吸が……出来ない?
「あーぁ。ぜーんぶ無駄だった。どうしてくれんの」
自分の首を触ろうとすると、彼の手があった。
ギュチッと、喉のあたりから変な音がする。
「は、え……カハッ、リ……イチ、先……生?」
「ねー、死んでくんない?レウさえ死んでくれれば、僕はまた普通の保険医に戻れるんだよぉ」
引き笑いを上げながら、狂ったように私の首を絞める、茂呂 リイチという無差別殺人事件の犯人。
そんな奴の言う通りになってたまるかっての!
でも、意思に反して身体は呼吸が出来ない、薬のせいで抵抗する力もない……
私、このまま、死んじゃうんだ。
でも……これだけは……言わなきゃ。