私の親友
囚人が語る後日談
次の日。
『女子高生の遺体、●●県海で発見。犯人は五年前の無差別殺人事件の犯人と同一人物!』
あー……
冷たい長椅子に仰向けになり、看守から渡されて、囚人皆で回し読みしてる新聞の見出しを読む。
良かったな。レウ。
僕がお前の罪背負ってやったから、お前は多分天国行きだ。
あの後、僕は警察に自首しに行き、レウの罪も被ってやった。
現在の僕は、『保険医の茂呂 リイチ』ではなく、『五年前と今年無差別殺人事件を起こした犯人・囚人番号0991』。
あんな事した後じゃこんな形でしか表せないけど、心からの告白のつもりだ。
新聞を他の囚人にぶん投げて渡して、手の甲を額に付けた。
あの時、僕が素性を明かさなかったら、僕とレウは恋人になれただろうか?
教師と生徒、30代のオッサンと10代のJK、昔の狂った殺人犯と今のクレイジー殺人鬼娘……
言わなくても僕らには、障害がたくさんあった。
どっちにしろ長くは続けられないと思って言ったけど、どうだろう?
ま、今グダグダやってもしょうがないんだけど。
でも、これだけは、本当にはっきり言える。
いつの間にかあいつ自身をを好きになっていて、今も好きだ。