私の親友


   ガチャ


 「あ、レウちゃんおかえりー」


 私は学校が終わると、ここに帰ってる。

 ここは家であり、家じゃない場所。

 おかえりを言ってくれる人は、親じゃない。


 「ただいま。お姉さん。」



 そう。児童養護施設が私の今の家。

 ロアに会う一年前、つまり小六のときに両親が通り魔にやられて亡くなり、身寄りの無い私はここに預けられた。

 そして無残にも私は殺される瞬間を見てしまった。

 

 


 残念ながら誰かは分からないけどね。



 

 かなり前の事だし、両親の死体の方が脳裏に焼き付いてしまい、細かい事は覚えてないけど……





 「う゛っ……!」

 「レウちゃん!大丈夫?!」


 思い出してしまって、吐き気を催した。





 父さんと母さんが、肉塊になった瞬間―――


 飛び散る血飛沫。


 切られた両腕両足。


 その断面から見える骨と肉。




 ―――ダメだ!どうしても思い出しちゃう!!



 怖い。



 憎い。




 頭が割れそうだ……!!




結局その日は、頭痛がひどくて倒れ込むようにベッドへ直行した。
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