私の親友

 さらに次の日、六月二十二日。

 学校に着くと、保健の先生にプリントを提出する為、教室にかばんを置いてから保健室へ向かった。


 「失礼しまーす」

 「おぉ、二年五組の……田宮だっけ?」

 「神谷、です。か、み、や。
 神谷(かみや)レウです!」
 
 「アヒャヒャ、ごめんごめん。」

 「つまんない冗談は程々にしてください。
 何回目ですか?学校でもそれ以外でも何度も何年もいつも会ってるでしょう?!」


 保健の先生、茂呂(もろ)リイチ先生はボサボサ頭を掻きながら笑った。

 いつも通り白衣は汚れてて、マッドサイエンティストみたい。
 保健の先生というより理科の先生っぽい。

  



 リイチ先生は、私の両親の大学生時代の後輩に当たる人で、父さんと仲が良かった。そのためか、私を親戚の子供のように接してくれる。

 それにこの学校は頭の硬い馬鹿真面目な先生が多いから、リイチ先生みたいなマイペースな人は貴重。


 だから割と好き。


 あ、も、勿論、歳の差が二十以上あるから、恋愛感情なんか無いけどね!!!



 「これ、プリントです」

 「あー、はいはい」


 リイチ先生はプリントを適当にチラッと見ただけで、机の上に乗せてしまった。


 「……ちゃんと見なくて良いんですか?結構大事な健康診断系のプリントだったと思うんですけど」

 「いーのいーの。面倒なことは全部明日の僕に任せるさ~」


 絶対明日も同じ事言って忘れるな……。


 「ところで、レウには親友が居るそうだね。名前はなんていったっけ」

 「はい、香宮(かみや)ロアです!」

 「おや、同じ名字なの?」

 「香宮と神谷で、字は違いますが読みが一緒です」

 「ほぉ~……」


 リイチ先生が回転椅子に凭れ掛かる。

 その隣で私もリイチ先生の前にある机に寄り掛かった。


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