君のいいところ、1つしか思いつかない。
自動販売機でココアを買って、図書室へ急ぐ。
ガラッとドアを開けると、図書室独特の少し古い本の匂い。
もう2年生なのに図書室に来たのは初めてで、初めて見る景色をぐるりと見回す。
想像していたよりも日当たりが良くて明るい室内に、本を読んでいる人が2人。
勉強をしている人が3人。
そして貸出カウンターで本を開いている、篠宮くんを見つけた。
足を組んで片手でページをめくる篠宮くんは黒ぶちの眼鏡がすごく似合って、陽に当たって少し茶色く見える黒髪も見惚れてしまうくらいに綺麗だ。
左手に持ったココアを確認して、貸出カウンターに向かう。