君のいいところ、1つしか思いつかない。
泣いてる顔を見られたくなくて、前髪をいじる振りをして目元を隠す。
しかも、土曜日のこともあって晴の顔を見れない。
「…ごめん、俺紗月ちゃん送ってくわ。
また明日ね」
周りにいた女の子たち3人にそう言って、あたしの手首をそっと引く晴。
「えー、何それ!」
「うちらと遊ぶって言ったじゃん!」
「最近その子ばっかりじゃない?」
「ごめんって、今度埋め合わせするから」
そう言ってどんどん歩く晴に、ついて行くのが精一杯だ。
「ねえ…!」
「ねえってば!」
「晴っ!」
結構歩いてからやっと止まった晴に、息を整える。