君のいいところ、1つしか思いつかない。




「うぅー…」





近くにあった小さな公園のベンチで、晴は自販機で買ったミルクティーを渡してくれる。






「…篠宮絡み?」



「…っ、ヒック…」


「ごめん、いいよ、落ち着いてからで」






ポンポン、と頭を撫でるその大きな手に。

ミルクティーの温かさに。




少しずつ落ち着く心。






「…あたし、酷いことしちゃった」


三波先生は何も悪くないのに。
あたしがただ、勝手に蓮を好きなだけなのに。




「ただあたしが、嫉妬しただけなのにっ…!
なんで、こんなに…性格悪い奴、好きになるわけっ…」






こんなやつ、蓮が好きになるはずない。


三波先生は、大人っぽいとか、美人だとか、そんな理由じゃなくて。


性格だっていいから、蓮に好かれるんだ。




あたしはこういうところが子どもなんだ…。







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