君のいいところ、1つしか思いつかない。
「紗月は何出るの?」
「バレーだよ」
「バレー出来るの?」
「あたし、運動はできる方だから!」
「勉強がこれじゃあ運動くらいできないと可哀想だよね」
からかうような蓮に、もう、なんて言うけど正直、蓮になら何を言われたって嬉しかったりする。
こんなこと言ってくれるまで仲良くなれたことが嬉しくて。
会話を続けてくれるのが嬉しくて。
目が合った瞬間、解け、って何も言わずに教科書を指差す仕草も嬉しくて。
窓から差し込む西日すらも、嬉しいって思っちゃうくらいに。