君のいいところ、1つしか思いつかない。
「よし、終わった!」
再試の範囲までなんとか終わり、んー、と伸びをする。
「お疲れ」
珍しく優しく言ってくれる蓮と、図書室を出た。
「じゃあ、鍵返してくるから」
「待っててもいい?」
「…ん、昇降口にいて」
一緒に帰れる!
まさかいいって言ってくれるとは思ってなくて、思わず顔がにやけてしまう。
靴をローファーに履き替え、昇降口で蓮を待つ。
さっきよりずっと赤くなった空。
「よ、紗月ちゃん」
その声にパッと振り返ると、そこには2人の女の子を連れた晴。
両側から晴を囲む女の子たちは足が長くて美人で、大人っぽい。