君のいいところ、1つしか思いつかない。
「お待たせ」
その蓮の言葉とともに私の前に差し出されたココア。
「え、」
「…頑張ったご褒美」
少し目を逸らしてそんなこと言われたら、どうしたってキュンキュンしてしまう。
あたしが初めて蓮にあげたのもココアだったよね。
それを覚えててくれてたのかどうなのかは分からないけど…。
「ありがとう!」
「…ん」
ひとくち飲んだココアはいつもより甘くて、温かい気がした。