君のいいところ、1つしか思いつかない。
「あのね、」
と話すのはあたしばっかりで、だけど蓮もそれをちゃんと聞いてくれる。
会話が途切れた時の一瞬の沈黙とか、手を伸ばせば触れられる距離だとか、緊張してばかりで蓮の方を向けない。
「…結城と仲良いよね」
「え?」
蓮の口からその名前が出てくると思っていなくて、少し驚く。
「いや、最近そうだなと思って」
「晴は女の子なら誰とでも仲良いよ」
なんて笑いながら返した自分の言葉に、何故か胸が痛んだ。