君のいいところ、1つしか思いつかない。
結局、あたしたちのクラスのバレーは1回戦で負けてしまった。
「惜しかったねー!」
「紗月が顔面さえ当たらなければね?」
「ごめんってばー!」
みんなで笑いながらコートを出ると、
「ドジ」
なんて言ってくるのはいつも通り女の子に囲まれた晴だ。
「な、見てたの!?」
「あんな見事な顔面くらう人初めて見た」
ククっと笑う晴を思いっきり睨む。
「う、うるさいなぁ!」
「はは、すげえダサかったよ」
む、ムカつく…。
本当何なの!?
自分はどうせ出てもいないくせに!!
ていうかボーリングだってめちゃくちゃダサいくせに!!
女の子達と楽しそうに歩いていく晴の背中に無性にムカついて、もう一度睨み付けてやった。