君のいいところ、1つしか思いつかない。
自分たちの競技が終わってしまい、やることのなくなったあたしたちは教室でチョコを食べる。
「ねえ、暇」
「何か見に行く?」
「うーん…」
袋の中のチョコに手を伸ばしながら喋っていると、廊下から聞こえた会話に手を止める。
「ねえ、次晴バスケ出るんだって!」
「え、晴スポーツ嫌いそうなのに!」
「しかも!あの篠宮蓮と戦うらしいよ!」
…蓮?
「え、何それ見たい!
篠宮くん近寄りがたいけどカッコいいし!」
「ね、早く行こう!」
バタバタと遠ざかっていく足音。
チョコに伸ばしていた手を引っ込めて立ち上がる。
「はーちゃん…!」
「はいはい、体育館ね」
しょうがないな、って立ち上がるはーちゃんの手を引っ張って、体育館に向かった。