君のいいところ、1つしか思いつかない。





自分たちの競技が終わってしまい、やることのなくなったあたしたちは教室でチョコを食べる。



「ねえ、暇」
「何か見に行く?」
「うーん…」




袋の中のチョコに手を伸ばしながら喋っていると、廊下から聞こえた会話に手を止める。






「ねえ、次晴バスケ出るんだって!」
「え、晴スポーツ嫌いそうなのに!」

「しかも!あの篠宮蓮と戦うらしいよ!」



…蓮?



「え、何それ見たい!
篠宮くん近寄りがたいけどカッコいいし!」
「ね、早く行こう!」





バタバタと遠ざかっていく足音。


チョコに伸ばしていた手を引っ込めて立ち上がる。





「はーちゃん…!」


「はいはい、体育館ね」





しょうがないな、って立ち上がるはーちゃんの手を引っ張って、体育館に向かった。





< 127 / 296 >

この作品をシェア

pagetop