君のいいところ、1つしか思いつかない。
「れ、蓮っ!」
人混みを掻き分けて蓮を呼ぶ。
「あ、紗月」
「すごかったね!!
蓮があんなにバスケ出来るなんて知らなかった!」
興奮が収まらなくてそう言ったら、うるさい、って言われたけど。
だけどその表情は嬉しそうだった。
「それにしても、サボるんじゃなかったの?」
「あー、何かどうしても人数が足りないって連行された」
空き教室で寝てたのに、と面倒くさそうに言う蓮に思わず笑う。
「お疲れ様!」
「ん、紗月は顔面大丈夫か?」
からかうように言う蓮。
「み、見てたの?!」
「たまたまね」
「さ、最悪…」
恥ずかしい…。