君のいいところ、1つしか思いつかない。
「…出る、試合」
「え、いいのか?!」
えー、晴行っちゃうの?と言うみんなに
「応援してよ」
と笑いかけてジャージに着替えた。
こうして思いがけず出ることになったバスケの試合。
体育館に入ると、想像以上の量のギャラリーの中から茶色のロングヘアを探した。
…あ、いた。
紗月。
いるとは思ってた。
だって篠宮の試合だから、見に来てないわけがない。
当の篠宮は試合が始まってもゴールの下で気怠げに立っている。