君のいいところ、1つしか思いつかない。
篠宮のために泣いたりしないで。
俺なら泣かせたりしないから…。
篠宮と目が合って、逸らさずに睨む。
きっと、俺のことも、俺が睨む理由も知らないと思ったのに。
「…」
強い目線で、睨み返してきた。
何で?
もしかして…。
その可能性を振り切るように背を向け、ボールを追いかける。
俺に回ってきたパスをカットする篠宮に。
さっきのやる気のない姿とは別人みたいに、バンバン決められるシュートに。
どうしても、その可能性しか考えられない。