君のいいところ、1つしか思いつかない。





篠宮のために泣いたりしないで。



俺なら泣かせたりしないから…。






篠宮と目が合って、逸らさずに睨む。

きっと、俺のことも、俺が睨む理由も知らないと思ったのに。




「…」





強い目線で、睨み返してきた。


何で?


もしかして…。






その可能性を振り切るように背を向け、ボールを追いかける。




俺に回ってきたパスをカットする篠宮に。


さっきのやる気のない姿とは別人みたいに、バンバン決められるシュートに。




どうしても、その可能性しか考えられない。








< 141 / 296 >

この作品をシェア

pagetop