君のいいところ、1つしか思いつかない。
「あー、理奈?」
トーク履歴が一番上にあった理奈に電話をかける。
『んー?』
「一緒にサボろうよ」
『いいよー!』
「空き教室にいるから」
『おっけー』
電話を切って窓の外を見ると、今一番見たくない紗月ちゃんの姿。
友達としゃべるその横顔が、揺れるポニーテールが、眩しいくらいキラキラして見える。
「あっ、いた。晴!」
「…よ、理奈」
もう一度紗月ちゃんを見て、カーテンを閉めた。