君のいいところ、1つしか思いつかない。
「え、」
隣のクラスの前を通ると、誰もいないはずの教室に2人の人影が見えた。
サボりかな。
誰だろう、と気になって覗くと、そこにいたのは。
「晴…」
机に座る女の子の髪を触ったりしてじゃれる晴だった。
そうか、忘れてた。
晴ってこういう人だった。
最近ちょっといい人かと思ってたけど、やっぱり最悪だな!
と思って通り過ぎようとすると。
「覗きは良くないんじゃない?」
ニコッと笑う晴。
その笑顔は、本当の笑顔じゃなくて。
つくって、貼り付けたみたいないつもの顔。