君のいいところ、1つしか思いつかない。
晴だから、嫌だったのかもしれない。
他の女の子なら「んー、彼女」なんて冗談でも言いそうなのに。
思えばあたしは、晴の周りの女の子とは扱いが違う…気がする。
こんな風に2人で授業をサボったこともないし、髪を触られたことだってない。
…それはやっぱり、あたしはそういう対象に見れないってことなのかな。
「ねぇ晴」
「んー?」
「キスしてよ」
晴の膝の上で、舐めていた棒付きキャンディを口から出して、晴を振り返る。
…え、今…。
キス、って言った…?