君のいいところ、1つしか思いつかない。
「っ…う…」
ポロっと頬を伝った雫を手の甲で拭う。
授業中の静かな廊下。
窓から見える青空。
時折遠くから聞こえる笑い声。
「バカ…」
だから関わりたくなかったんだよ。
あんな適当な人。
だから嫌いだったんだよ。
顔だけしか良いところがないくせに…。
良いところなんか、1つしかないくせに…。
女慣れしてるから、どうやったら女の子が喜ぶのか分かってるから。
だから晴にドキドキしたのだって、あたしの気まぐれだ。